イスラム国・アルカイダはなぜテロを行うのか?その理由を歴史の流れから考えてみる【パリ同時多発テロ】

2015年11月13日 パリ同時多発テロが発生。ISが犯行声明を出す

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周知の通り、先日パリにて大規模な同時多発テロが発生し120名以上の方が亡くなられました

これほど大規模なテロをIS、イスラム国が起こしたのは初めてのことです

このような大規模なテロをイスラム国が起こすのは何故なのか?

イスラム国の歴史を遡って考察していきたいと思います!

イスラム国はもともとアルカイダ的なテロ思想を持った組織ではない

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そもそもイスラム国とは何なのでしょうか?
ーーーもともとは2006年のアルカイダ・イラク支部が作った「イラク・ムジャーヒディーン諮問評議会」という組織が元です

元はアルカイダ系組織ですので当初はアルカイダらしいジハード主義(異教徒からイスラムの地を守るべきとする主義。現在では主にアメリカなどを敵国対象)を持ってはいました。

しかしこの組織がアルカイダから距離をおき、名前をイスラム国へと移行する中で、アルカイダ的なジハード主義は薄れ、タクフィール主義(スンニ派から見た不信仰者シーア派を攻撃しようとする主義)が強まっていきます

イスラム国はイラク内のシーア派政権を打倒するというタクフィール主義が高まりすぎて、2014年2月にアルカイダに破門されています。

つまり、イスラム国はもともとはアルカイダのように遠い欧州に対してテロを行うような組織ではなく、身近なイラクやシリアなどのシーア派を攻撃しようとする組織なのです

ですが、アメリカやフランスなどの有志連合がイスラム国への空爆に参加し、イスラム国へ莫大な被害をもたらしたことにより、本来のアルカイダ的なジハード主義が再び高まっていったのです。

これが、今回のフランスへの同時多発テロの直接的な背景ではないかと言われています。

では、アルカイダはなぜ世界各地でテロを行ってきたのか?

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イスラム国がパリ同時多発テロを行った理由が、
空爆によってジハード主義が高まったからだということは理解できたと思います

しかし、イスラム国の元の組織であるアルカイダはなぜジハード主義を掲げてテロを行ってきたのか、という疑問が残りますよね

それはアルカイダの歴史について振り返るとわかりやすいです

アルカイダの元となる組織は「アラブアフガン」と呼ばれる、
1979年のソ連のアフガニスタン侵攻に対抗するために多くのムスリム義勇兵が結集した組織です

1980年代、彼らの敵は共産主義=無神論者であるソ連であり、
イスラム教国であるアフガニスタンを占領する異教徒を駆逐することこそ全ムスリムの義務としていました。

この考えはパレスチナ人の思想家アブダッラー・アッザームによって理論化され、ジハード主義(異教徒からイスラムの地を守ろうとする主義)と呼ばれます。

1989年のソ連軍のアフガニスタン撤退後、アルカイダはソ連からターゲットを移し新たなる異教徒を敵国と定めます。そう、米国です。

1990年、イラクが隣国クウェートへと侵攻する湾岸危機が起きると、近隣国のサウジアラビアは国土防衛のためにアメリカ軍の駐留を許可します。

しかし、サウジアラビアといえばイスラム教の聖地メッカのある地です。
神聖な地にアメリカ軍が駐留することに多くのイスラム教徒は反発し、その一人である同国の巨大ゼネコンの御曹司、ビンラディンはアメリカを聖地を占領する十字軍とみなして彼らを追い出すことこそジハード(聖戦)だと主張します

この理論によって、ビンラディンはアルカイダを立ち上げ、欧州を中心として排米的なテロが世界各地で頻発するようになったのです。
(これまでのアルカイダが起こしてきた欧米での主要なテロのまとめはこちら

その後アルカイダは後ろ盾であったアフガニスタンのタリバンを失い、弱体化したものの
彼らのジハード主義は世界中へと蔓延し世界各地でテロを引き起こしているのです

【参考文献】

イスラム国とアルカイダの違いについても詳細に語られている上記2つの本がオススメです

今回は宗教上の面からテロの原因について語っていますが、中東は石油も絡んでくるため話がややこしいですよね・・・

ともあれ、テロという卑劣な行為がこの世界からなくなるのを祈るばかりです

(※このブログでは便宜上イスラム国という呼称を用いていますが、決して正規国家として認めているわけではありませんのでご了承ください)

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