人間は意外と合理的ではない!?おもしろい行動経済学、心理学の具体例をわかりやすく紹介!【まとめ】

行動経済学

経済学とは人間は常に経済的合理性に従って動く経済人である、という前提のもとで成り立つ学問だ
しかし、近年実際の人間は合理に沿わない行動をすること多いよね、という視点から新たな学問が誕生しました!

それが、行動経済学です

行動経済学は、人の合理では説明の付かない事象に関して心理学などを用いてわかりやすく教えてくれます

今回はそんな行動経済学の、非常に面白い人間の合理に沿わない行動の例を紹介していきたいと思います

社会規範と市場規範

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イスラエルの託児所では営業終了時間は夜20時。しかし、20時を超えた時間に迎えに来る親が多いことに悩まされていました。
そんな時、ある知り合いのコンサルタントが「10分以上遅刻した親に3ドルの罰金を科してはどうか?」と提案した
それはいい!と感じた託児所は早速罰金制度を導入

しかし、結果は罰金制度を導入する前よりも遅刻する親が増えてしまったのです!

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解説

昨今、民営化が加速化したりと、あらゆる分野に市場規範が持ち込まれています。これは、市場規範が効率的にコトを運営してくれるという前提があるからです
しかし、この世には市場規範を持ち込むことで非効率になる分野もあります
今回の例では、サービスを受ける側であっても最低限守らなきゃいけない社会規範に市場規範を持ち込んだせいで失敗しています

罰金制度を導入する前の託児所は遅刻した時、常に申し訳ない気持ちを抱いていました。社会規範にのっとれば、ほとんどの親がそういう気持ちになるはずです。
つまりこの託児所では社会規範が親の間で共有されている状態でした。

しかし、罰金制度が導入された託児所は市場規範が持ち込まれています。
つまり、市場規範によって親たちは遅刻する権利を3ドルで買えるのです
これによって親たちが堂々と遅刻するようになってしまい、託児所での遅刻は更に蔓延することになってしまったのです

世の中には社会規範が優勢な物事に、市場規範を導入すると腐敗してしまうことがあることを知っておくべきですね

アジア病問題

 

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具体例

1981年のScieince誌におもしろい論文が掲載された

問題1
アジア病という伝染病が発生した。
なんの対策も行わないと、600人死ぬことが見込まれる。政府は対策として2つのプランを用意した。
・プランAを採用すると、200人が助かる
・プランBを採用すると、1/3の確率で600人助かり、2/3の確率で誰も助からない

どうです?あなたならどちらを採用しますか?
答えを出したら次の問題です

問題2
正体不明の伝染病が発生した。
なんの対策も行わないと、600人死ぬことが見込まれる。政府は対策として2つのプランを用意した。
・プランCを採用すると、400人死ぬ
・プランDを採用すると、1/3の確率で誰も死なず、2/3の確率で600人死ぬ

こちらも回答してみてくださいね!

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解説

さて、何だよこの問題、と思われるかもしれませんが解説です
この問題は人間がいかに一貫性のない合理性に欠いた生き物かを示してくれます

問題1で示したどちらのプランも確率的には200人助かります
ただ多くの人はプランAを選択します

問題2でも、どちらも生存確率は200人です
ただ多くの人はプランDを選択します

ここで考えて欲しいのは、プランAとプランC,プランBとプランDの関係です
プランCはプランAの言い換えでしかなく、プランDもまたプランBの言い換えでしかありません
助かるであろう人数に着目するか、死亡する人数に着目するかの違いです

よって、合理性のある人なら問題1でAを選んだら、問題2でCを、Bを選んだら、Dを選ぶべきなのです

しかし、実際にはこの合理に欠いた回答をする人がほとんどなのです

表現を変えるだけで人の行動までも変えてしまうことをフレーミング効果といいます
人はポジティブなこと(〜人が助かる)が書かれていればネガティブなこと(〜人が助からない)を避ける傾向にあり、
ネガティブなことが起きる(〜人が死ぬ)表現があれば、それをできるだけ避けるために敢えてリスクをとって可能性に賭ける(確率で全員助かるか、全員死ぬか)傾向にあるのです

これがアジア病問題という、人間は一貫性のない、合理的ではないということを証明する良問なのです

美徳財と悪徳財

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15%の油分含有のポテトチップス
85%の油分をカットした、新製品のポテトチップス

これらもまた、同様の商品ですがフレーミング効果で下のいいように書かれた商品を購入する傾向があります

このように、購入者のその商品へのイメージによって消費行動は大きく変化します
例えば、ダイエットをしている人は大容量のポテトチップスではなく、小さく小分けにされたお菓子を好んで購入します
タバコを辞めなきゃと思っても辞められない人は、カートン買いするのではなく、ちまちま一袋ずつ購入します

カッパエビせんや、ポテチの小さな小分け商品が売れる秘密もここにあるような気がしますね

サンクコスト(埋没費用)

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具体例

あなたは現在大学三年生で公認会計士試験に合格するために、これまで多大な時間とお金を費やしてきました
自学自習をあまりしてこなかったが、サークルにも入らず専門学校に通って、楽しむ時間を犠牲にしてきました
お金もこれまで200万円ほど費やしています

しかし、正直受かる見込みがありません
これまでの模試の試験でも合格判定はE判定と最低ランク

そんなとき、就活という選択肢もありかな・・と思い始めます
しかし、就活の時期と会計士試験の時期が被ってしまっており、どちらかを選択しなければなりません
さて、どちらの道を選ぶでしょうか?

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解説

このような将来の選択をしなければならない場面で絶対に考えてはいけないことが、サンクコスト(埋没費用)です
サンクコストとは、もう帰ってこないこれまで費やしたお金や時間のことです

人は意外とサンクコストにひっぱられて意思決定をします
しかし、サンクコストを一度忘れて冷静に理性的に行動を決定することが重要です

サンクコストはコンコルド効果とも言われます
(コンコルドという音速旅客機の作成時、すでに投資した金額を忘れられずあれだけお金をかけたんだからやってしまえ!とゴリ押しして失敗したことに由来します)

多大な金額、時間をかけたから、といって受かる見込みもない公認会計士の試験を受け、案の定落ち、就活もできず、就職浪人となってしまわないように気をつけましょう
(そもそも、受かる見込みのない公認会計士を目指すことに問題ありますが・・・)

ドア・イン・ザ・フェイス

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具体例

痴漢冤罪によって、示談金を求められた田中さんは相手の親との交渉の場に向かっていた。
「こういう交渉の場ってめんどくさいなぁ・・・5万円くらい払えば相手も引き下がってくれるだろ」
そんな楽観的な考えをもって交渉する場へ向かった。
相手の母親「うちの子があなたに痴漢されたことで、甚大な精神的被害を受けたそうじゃないですか!50万円払っていただきます!」
田中さん「え!?50万!?それは高すぎやしませんか?」
相手の母親「うちの子はまだ16なんですよ!こんなまだ子供を傷つけて恥ずかしくないんですか!だいたい本来であればあなたは裁判所で罪を受けるべき存在なのですよ!それを我々の温情でこうして示談という形をとっているのに、何なんですかその態度は!それと、フジコフジコフジコフジコフジコフジコフジコフジコフジコフジコフジコフジコ・・・・・」
田中さん「落ち着いてください!お願いします。私もまだ、最近サラリーマンを始めたばかりでお金もあまりなく、困っているのです。申し訳ないのですが、もう少し下げていただけませんか?」
相手の母親「まぁ、値下げ要求ですか?ふてぶてしい方!いいですわ、温情に恵んで35万円でいかがですか?」
田中さん「そこをもう少しお願いできませんか!?」
相手の母親「なんなんですかあなたは!だいたいあなたの普段からの行いがフジコフジコフジコフジコフジコフジコフジコフジコ・・・・・」

相手の父親「お母さん、少し落ち着きなさい。田中さんも困ってらっしゃる。どうでしょう、ここはひとつ、25万円でお互い手をうつというのは?当初よりも金額は1/2に下がっていますし、なによりお互い嫌な思いをこれ以上しなくて済む」

相手の父親からの提案に考えこむ田中さん
そんな時、5日前に会社からボーナスで30万円振り込まれたことを思い出します
こんな状況が終わるなら25万でもいいか・・・それでも、5万円は残るわけだしな

田中さん「わかりました。では25万円でよろしくお願いします」

田中さんは、少なくなった銀行口座預金額を見ながらも、この示談が解決したことにすっきりして帰って行きました

相手の娘「パパ!今回はいくら儲けたの?」
相手の父親「25万円も払って行きやがったぜあいつ。全く交渉事を何にもわかってないバカがいるもんだな。ハハハハハ」

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解説

非常にむかつく話ですが、現実に起こっていてもおかしくない話です
さて、この話で重要なのが田中さんは当初想定していた5万円よりも20万円も多いお金を払ってしまったことです
これを促したのがドア・イン・ザ・フェイスです
交渉術の一つで、最初に大きな金額をふっかけてドンドンその値段を下げていき、最初の金額の半額以上の値段で妥協という形をとっているように見せる手法です
しかし、実はその値段は市場価格よりも大きく乖離して高いことが多いというのが常です

皆さんも、交渉の場では自分の最初に思い描いた額以上であれば買わないようにするのが懸命ですよ

常に理性的に行動するために

人間は理性的な行動ができなくなる時があります

確率にまどわされたり、
印象や思い込みに引っ張られてしまったり、
表現の仕方で扇動されてしまったり、

本当に賢い人間になるには、理性的な判断を下すには確率論や行動経済学、心理学を学ぶことも一つの手段だと思います

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