おそ松さんは実は、皮肉満載の社会派アニメだった!

今、非常に人気が高まっているアニメ、おそ松さん
なんと、オタクが最も気にする指標であるDVD,BDの売上本数が初動(発売初数)で、79,108枚であったことがネット界に衝撃を与えました。(深夜アニメの及第点は3,000枚とも言われています)
おそ松さんは、過去2度「おそ松くん」としてテレビアニメ放送された後、25年以上の時を越えて今回「おそ松さん」として放送されています
つまりは昔のアニメのリメイク版なのですね!
ですがこの昔のアニメのリメイクというのは非常に難しいのです。昔のアニメのイメージ・栄光にひっぱられてしまいますからね。
最近リメイクされて復活した昔のアニメ。実はいっぱいあるんですよ?
などなど、成功したのも失敗したのも含めて色々ありますが、この中でも最も成功したリメイクアニメといえばやっぱりおそ松さんです!
- DRAGON BALL超
- 夜のヤッターマン
- 美少女戦士セーラームーンCrystal
- 妖怪人間ベム
- 聖闘士聖矢Ω
そんなおそ松さんですが、人気の要因は
・既に知名度があった
・監督が、もともと狂ってた
など様々あるとは思いますが、僕はこのアニメの面白さは各キャラクターが現代の若者らすくキャラ立てされ、ストーリーも現代社会を上手く反映した皮肉・パロディ満載です
現代の若者社会が抱えている問題や事情を踏まえたうえで、昭和に生きたおそ松くんたちを二十歳ニートにして今の若者を演じさせて、現代社会の皮肉をコメディで和ませる
こうしてみるとおそ松さんは、社会派の皮肉コメディアニメと言えなくもないですね(笑)
具体的にどの回が皮肉満載だったか、解説していきたいと思います!
高二病で、友達作りが苦手な若者への皮肉
・おそ松さん5話「エスパーニャンコ」
きどった皮肉屋への皮肉返しといったところでしょうかね。
人嫌いを公言して自分の殻にこもりがちの四男、一松の心の闇の本質に迫った回!
猫が親友の一松を思って、猫の心の声がわかるようにしたいとデカパンに話をもちかけた十四松。
すると手違いで、人間の本音を代わりに話してくれるエスパーニャンコが誕生してしまう。
そこでバレてしまったのは、十四松の心の本音。
一松「ふん。まぁね。そういうの生きていく上で必要ないし。みんなよくやるよね。周りに合わあせてさ。友達?仲間?俺には一生要らない」
エスパーニャンコ「本当はそんなこと思ってないけど」

エスパーニャンコに本当の気持ちを代弁されてしまった一松。
一松「ま、まぁそんな価値ある奴はいないけど」
エスパーニャンコ「まぁそんな価値自分にあるとは思えないけど」
一松「無駄なんだよな。人と距離を縮めるのが」
エスパーニャンコ「怖いんだよなぁ。人と距離を縮めるのが」
一松「労力がもったいない」
エスパーニャンコ「自分に自信がない」
一松「平気で裏切ったりするし。あいつら」
エスパーニャンコ「期待を裏切っちゃうかも。自分が」
一松「つーか、猫が友達とかありえないでしょ」
エスパーニャンコ「つーか、猫が友達だと楽でしょ」
一松「言葉通じないし」
エスパーニャンコ「だから傷つかないし」
一松「あー馬鹿らしい」
エスパーニャンコ「あー寂しい」
一松「友達なんてマジいらねぇ」
エスパーニャンコ「友達なんてマジいらねぇ・・・だって僕にはみんながいるから」
★感想・批評
最近多い孤高の一匹狼きどりで自分をクズだと皮肉り、無気力な高二病な若者を象徴した1話。
一松はそれが過度すぎるものの、少し自分に思い当たるフシがあるなぁと感じた人も多いはず!
エスパーニャンコが本当の気持ちを代弁するところは痛快!もう、一松系のギザにきどって自分に思い込み暗示をかけようとしている高校生たちは心にグサグサ刺さったはずです!笑
これを機会にそんな考えがいかに子どもか、自分を見直したほうがいいです
かくいう僕も一匹狼かぶれになりかけ、一人でいるのは楽しくているんだ、友達はそんなにいらないんだと思ってたことも・・・
思い込もうとしていたのか今ではわかりませんし、正直今でも一人でいることも好きですが、他人といる時間がすごく楽しいことも認めているので、大人になったなぁと感慨深く見てましたw
ちなみに、この回は本当は前半のカラ松をおいしくするための盛大のフリだからね!笑
自意識過剰過ぎてウザい、チョロ松。いや、シコ松への皮肉・批判
・おそ松さん19話「チョロ松ライジング」

これまでもちょいちょいウザい感じで兄弟からの目線を気にして、意識高い系アピールをしていたチョロ松。今回は、そんなチョロ松のウザい本質に盛大にツッコミを入れる回です!
いきなりおそ松とトド松に「アイドルファンを辞めて就活します!」アピールをしてきたチョロ松。
おそ松、トド松ら二人は無視しようとするが、自分語りを続けるチョロ松
最近流行りの?フリーハグ、海外への自分探し、語学留学、彼女を作るなど、ありがちなコトを言い始めたチョロ松に対して更にキレる二人。

チョロ松「ん〜ま〜、確かにちょっと意識高い系のことばかり言っちゃったけど〜」
おそ松&トド松「いや意識高いじゃなくて、自意識ライジングだから!自意識ライジングだから!」
プライドが無駄に高いくせに、卑屈で行動に全く移さない。それが自意識ライジング!
★感想・批評
最近のビッグマウスで他人からの評価を気にするくせに大した行動をしない若者を、意識高い系ではなく「自意識ライジング」という新しい言葉と、自意識を宙に浮かんだ玉で具現化した回。
正直、革命だと思った。わかりやすいし皮肉満載。
自意識ライジング状態の人、多くはないですが確かにいます。こういう人間は、往々にして見ていてイライラしますw
文句ばかり言うわりに、代替案も行動にも移さない。一緒にいるだけで嫌になるタイプです。
どうか、この日本からそういう人がいなくなるといいですね。
おそ松さんを見て笑いながらも、自分は大丈夫だろうか?と振り返ってみると良いと思います!
昨今の若者の何も考えずにお笑い学校、声優学校に行くことへの批判・皮肉
・おそ松さん20話「イヤミの学校」

かつて昭和の時代に「シェ〜」のギャグで一斉を風靡したことを武器に、お笑い学校の講師を始めたイヤミ。
そこに無理やりやってきた、六つ子たち。彼らは明らかに軽い気持ちでやって来る現代の若者そのものだった。

おそ松「だって今テレビ面白くないんだもん〜。あんなんだったら絶対俺達の方が・・・」
イヤミ「1つ教えてやるザンス。プロになるなら軽々しく面白くないと言うなザンス。笑うという行為にはそれなりの知識と教養が必要。つまり君のように面白くないと簡単に切って捨てる輩は、自分にはそれがないと言っているのと同じザンス!!!」
他にもトド松の「からの〜」絡みや、一松の「自分のやりたいことだけできればいい」発言や、講師の言うことを真に受けてしまうカラ松や、どうでもいい薄いコメントばかりするチョロ松、シュールでいきたい!という十四松
彼らの安易な発言、舐めた態度を次々と斬っていくイヤミ
お笑い学校は無理だと悟った六つ子たちは、声優学校を目指すが・・・
★感想・批評
近年のお笑い学校ブーム、声優学校ブームを見事に皮肉ったネタだったと思います。結局、プロとしての職業を若い人は舐めてるんですね。
本気でお笑い、声優を仕事にしたいならそれなりの覚悟がないと続かないです。競争あってのプロですから。リスクをとっても勝ち残るハングリーさや、努力、戦略がないとどんな世界でもプロとして成功するのは難しいです
軽い気持ちで何も考えず行動しちゃうのは、あまり良いこととは言えません・・・
他にも皮肉・批判が満載!

・ドミーハーで、他人を見下すためにアイドルを始めちゃうトド子ちゃん
★最近の地下アイドルブームを批判している感が否めないですね。
実際、そういう軽い気持ちで注目されて承認欲求みたしたいだけの女の子、多いと思います。
他にも承認欲求を満たす場は多いと思うのですがね。若いうちからのアイドル活動は勉強に専念できない、売れる人も少ないと色々とリスク大きいですからね

・会社でも、実生活でも仲間・味方がいない、おじさん会社員の実松さん
★こういうおじさんにはなりたくないなぁ・・・と思わされた回。会社でも嫌われて、電車では痴漢と警戒され、あげく心が壊れて家では幻覚を見てしまう・・・
最近は、心を壊してしまう会社員の増加が問題視されていて、企業でもストレスチェックが義務付けらているような現代社会を皮肉った回でしたね。
にしても、実松さんには死ぬほど笑いましたねw。僕はああいうの好きです

・〜女子松さん〜
おそ松→モテない努力家のOL
から松→サバサバ系というか、もはや男感ですぎの下品な子
ちょろ松→THE腐女子系。ゴスロリ系ではなく、地味系腐女子。
一松→大人女子な感じ。あまりにもモテなくてこじらせてる感じの女の子
十四松→キャバ系。頭弱くて、思ったことすぐに口にしちゃう。
トド松→森ガール。モテようとしてる感がすごく伝わってくる計算型。
★おそ松さんのメインターゲットの若い女子層を皮肉りにいくあたり流石おそ松さん。まぁ、女子側もこれくらい攻めてくるおそ松さんが好きなんだと思いますけどね。
にしても、こういうモテたくて必至に色々やって空回りしてる系女子って本当にいるのかな・・・。ネットとかでネタにされてるけど、実生活では見たことないや。
でも見てる分にはすごく面白い、女子松さん笑