アニメだけでは味わえない!Fate/Zeroの小説を読んで分かった新事実

長いこと放置していたFate Zeroの小説でしか知り得ない事実の解説・紹介記事
意外とアクセスがあるので、6巻までちゃんと終えてしまいたいと思います!
本記事該当箇所
・文庫本原作 5巻
・アニメ 17話〜21話
この5巻では物語の核心となる事実が多数出てくる、見所満載の回となっています
アイリスフィールの体調が急に悪くなった理由とは?
アイリスフィールという存在は聖杯の器を維持するための自律型の道具なのです。
第三次聖杯戦争では聖杯を具現化する前に、聖杯の器を壊されてしまいます。その失敗を活かして、アハト翁はアイリスフィールに聖杯の器としての機能を移し、自我を与えました。
おかげでアイリスフィールは勝手に危険を予期して回避してくれ、聖杯の器が壊れないようにしてくれる。まさに聖杯の器の維持のための道具です。
ゆえに、アイリスフィールはサーヴァントが減っていくにつれて、聖杯の器としての機能を果たすために、危険回避の力を失いつつあったのです。
最終的には、聖杯の器というモノになるのでヒトとしての機能が減退していたということです
遠坂時臣が愛娘、桜を間桐家に出した理由とは?

遠坂時臣は、何も桜が嫌いで間桐家に出したわけではない。愛していたからこそ、外に出したのだ。
遠坂時臣の2人の娘、遠坂凛と遠坂桜は類まれな資質をもって生まれてきた。かたや、五重複合属性、かたや虚数属性です。
二人とも魔術師として十分過ぎる素養をもっているがゆえに、将来魔術を極める道を選ばなければならない運命なのだ。
なぜなら、魔性は魔性を引き寄せる。
呪いにも等しい力を手にしてしまえば、条理の外にあるものをひっかけてしまう。
ゆえに、二人とも魔性に対抗する術を手に入れるために、魔導を極めなければならなかった
しかし、魔術回路を時臣が与えられるのはたったの1人だけ。
どちらかにしか魔術の道を与えてやれないのかと嘆いていた最中に、間桐家から養子の申し入れがあった。時臣には、天の救いのようであったことであろう。桜にも魔性に対抗する術を与えてやれると、快く養子に出したのだ
聖杯戦争の本来の目的とは?

もともと聖杯戦争は始まりの御三家であるアインツベルン家、遠坂家、間桐家の3者が魔術の根源へと至るために始めたもの。
その魔術の根源へと至るためには、英霊であるサーヴァント7体を召喚し、その7体全てを殺し尽くして聖杯に捧げることで大聖杯を具現化させる。
逆に言うと、7体全ての英霊の力を聖杯に捧げないと根源へと至るほどの大きな願いを叶えることはできないのだ。
ゆえに「どんな願いでも叶えることができる」という触れ込みは、サーヴァント7体を召喚するための餌に過ぎないのだ。
そして今回まともに根源への到達を目論んでいるのは遠坂時臣ただ一人。時臣は最終的にはギルガメッシュを裏切るというのは確定していたことなのだ。
そんな事実を知ったがゆえに、ギルガメッシュは時臣への謀反をはかったのだ。
アイリスフィールの本当の願いとは

今まで切嗣の理想を本当に理解していたと思い込んでいたが、その実そうではなかった。
切嗣のために死ぬのではなく、切嗣の理想のために死ねば、夫の重荷にはならないからだ。アイリスフィールの本当の願いは、切嗣の理想の成就でも、アインツベルン家の悲願、第三魔法の達成でもない。
聖杯戦争を自分の代で終焉させ、自分以外のホムンクルス、つまり我が子イリヤスフィールが戦いに参加しなくても済む世界を願っている。
アイリスフィールは聖杯の器という機械であるにも関わらず、最も人らしい願いをもったのだった。
ウェイバーの一般人の家に隠れるという戦略は切嗣に高評価されていた

ひとえに魔術師としての正当な評価を求めて聖杯戦争に参加したウェイバーは、意外にもその戦略を策士、衛宮切嗣に評価されていた。
ウェイバーが自身の隠れ蓑に一般人の家を選んだがゆえに、切嗣は長らくライダー陣営の隠れ家を探し当てることができずにいた。
御三家やケイネスが目立つ場所に本拠地を構えて大仰な罠を仕掛けた作戦よりも、外敵から身を守る手立てが貧弱だが絶対に居所がバレない一般人の家を選ぶ作戦のほうが合理的であると切嗣は感じたのだ。
が、ウェイバーが一般人の家を隠れ家に選んだのは、ただ旅費がないからという単純な理由だったのだが・・・
これぞ、ビギナーズラックである。
間桐臓硯が第四次聖杯戦争に雁夜を送り込んだ本当の理由

間桐臓硯は、本当に用意周到な男であった。
彼は、前回の第三次聖杯戦争を生きて、間近で見て聖杯にイレギュラーが生じていることを理解していた。ゆえに、第四次聖杯戦争では何かが起きることを予見して様子見に徹することを決めていた。
ゆえに、雁夜をわざわざ送り込んだのは、聖杯を掴み取るためではない。
60年に一度の楽しみ、祭りでもある聖杯戦争を存分に楽しむための傀儡として雁夜を用意したのだ。
他者の苦しみに存分に愉悦を感じる性格である間桐臓硯は、苦悩する雁夜を見て楽しもうという魂胆だったのだ。
その他小ネタ
衛宮切嗣
・セイバーが対海魔(ジルドレイ)に使用したエクスカリバーだが、対城宝具であるがゆえに近隣住民へも被害を与えてしまう危険性があった。
それを予期していた切嗣は、エクスカリバーの放射線上に大型船を配置することで、被害を最小限に食い止めていた。
そういった切嗣の配慮に後で気づいたセイバーは少し驚きの念を隠せなかった。
・士郎と過ごしたあの古屋敷は、込み入った理由からか購入に際して暴力団と一悶着あったそうな
・久宇舞弥との緊急連絡手段は、呪的処理をした互いの髪の毛を指に仕込み、片方の魔術回路が極端に低下した瞬間に、その頭髪が燃焼してその危機を知らせるというもの(アニメでは電話で連絡しているが・・・)
久宇舞弥
・初潮を迎えてすぐに、戦場の兵士の慰みものにされて、子供を産んでいた。そしてその子供がどうしているのかを全く知らない
セイバー
・自ら持った騎乗スキルと、戦闘時に身にまとう甲冑の具現化のイメージを利用してバイクを魔力で大幅に改造することを成し遂げた。
さらにインビジブルエアを使って空気抵抗を最大限になくすことで、時速400kmの速度を可能にした
言峰綺礼
・雁夜の苦悩を見るためだけに、わざわざ遠坂時臣の死体に一番得意な治癒魔術を使っていた。それによって、死後硬直と死斑をごまかしきった。
間桐鶴野
・間桐慎二の父であり、雁夜の兄である鶴野は酒に溺れていた。聖杯戦争が行われている冬木の地は危険であるがゆえに、一刻も早くこの場から離れたいが、間桐臓硯から桜の調教の命を下されているため離れられずにいた。
危険と隣合わせにいることを理解して、眠れず、酒に溺れる毎日だったのだ。
ちなみに慎二は、聖杯戦争という危険な場において置けないため遊学の名目で国外退去させてある。
6巻のまとめはこちら→アニメFate/Zeroの疑問点を解説!小説でしか知り得ないキャラの心情や新事実を色々とまとめてみた〜6巻〜