アニメだけでは味わえない!小説版のFate Zeroを読んでわかった新事実!
3巻の見所は、なんといっても聖杯問答! セイバー、イスカンダル、ギルガメッシュ、個性それぞれの3人の王の心中を考察していきます。
本記事該当対象
・文庫本原作:3巻
・アニメ:7話途中〜12話初め
切嗣の起源弾の正体とは?なぜケイネスは弾丸1発に倒れたのか
切嗣は、「火」と「土」の二重属性をもつ魔術師です。属性はそれぞれ、「切断」と「結合」。イメージは、糸を切断して再び結び直す、ようなイメージです。
再びつないだ糸は、元通り「再生」したのではなく、太い結び目に「変質」したのです。
これが切嗣の魔術師としての起源です。攻撃対象に不可逆な「変質」をもたらすのです。
そして起源弾は、彼の魔術師としての本質を存分につぎこんでいます。脇腹の肋骨を左右とも切除し、摘出した骨をすりつぶし魔術で加工して49発の弾丸に封じ込めました。
彼の起源がつめ込まれた弾丸を受けると、打たれた魔術師の魔術回路を「壊し」、「紡ぐ」。
つまり、相手の魔術回路をぐしゃぐしゃにしてショートさせているのです。(相手が起源弾を受けた際に、強い魔力を流していればいるほど、魔術回路は壊れます。ゆえにケイネスは、切嗣の弾丸を最大限の魔力をもって防御してしまったゆえに、廃人になってしまったのです。)
これが彼の起源弾の正体です!
なぜギルやセイバーは、イスカンダルの聖杯問答に答えたのか?

それは3人とも王としての誇りがあるからです。
それぞれ譲れない王の形、つまりは覇道があり、その信条を同じ王を名乗る相手に言葉で認めさせ屈服させることができれば、
彼らにとって相手を倒したも同然なのです。
ゆえに、雑種を嫌うギルも聖杯問答の席についたということです。
まぁ、結局三人ともバラバラの王の形を示し、喧嘩別れに終わりますが・・・笑
こういう、剣ではない言葉による闘いもまた熱いですよね!
セイバーの示す騎士としての王道に、イスカンダルが白けた理由とは?

イスカンダルは明らかに、セイバーの王道に対して否定的でしたよね。ギルは完全に呆れを通り越して、その哀れみを愛でていましたが・・・笑
セイバーは、「自分の過去の行いに後悔をしていて、聖杯の力で過去の運命を変えたい」と発した瞬間にギルは笑い、イスカンダルは叱咤しました。
セイバーとしては、「王はその次代の臣民が理想とする騎士の姿を見せることで民を治めなければならない」と信じている。
王の全ての行いは、民草のために行わなければならない、ある意味臣民に忠実な犠牲者なのです。
ギルは「そんな大きすぎる理想は成し得ることができない。そんな理想を本気で目指そうとし苦悩するセイバーは実に哀れで愛らしい」と思い笑います。
イスカンダルは「王とは民に欲望、夢の形を見せることで民を導くことができる。確かに、治めるだけならそれでいいが、民を導くためには理想をみせるだけではダメだ」と思い哀れみます。
根本的な考え方が、三者三様異なるが故に生じたセイバーとの衝突なのです。
三者が治めた時代にはかなりズレがあり、それによって臣民の求めるものも異なるため、どれが正しいと一概には言えないです。ましてや、現代の我々の価値観でどれが正しいかなんてことを判断などできませんよね。
セイバーが聖杯問答で押し負けたのはなぜか?

セイバーの王道が間違っているから、負けたのでは決してないです。
セイバーは自信のなさゆえにライダーに押し負けただけなのです。
彼女は彼女の王道をもってして国を正しく治められなかったという負い目があり、イスカンダルとギルは自分の王道を持ってして国を正しく治められたという自信がある。
ゆえに、セイバーは反論できずに今にも泣きそうな顔をしていたのです。己の言動に誇りと自信をもてるかどうかって、大切ですよね
イスカンダルが固有結界を維持している凄さについて

アニメでアイリスフィールがアイオニオン・ヘタイロイを見て、
「固有結界ですって、そんなばかな。心象風景の具現化だなんて!?」と驚いているのには理由があります。
それは、固有結界を維持するには魔力をとんでもなく消費するからなのです。原作でアイリは「あなた魔術師でもないのに・・・」と続けます。
つまり、キャスターのクラスほどの魔力がなければ固有結界など維持できないということなのです。
なのにイスカンダルが固有結界を維持できるのは、彼に忠誠を誓った臣下の心は死してなお時空を超えて馳せ参じ、彼の臣下一人ひとりが魔力を持った英雄として固有結界を維持しているのです。
彼の臣下は、それぞれイスカンダルの死後に名を上げ英雄として名を馳せた英霊なのですから、魔力量も半端ではありません。
孤高をよしとせぬイスカンダルならではの、臣下と作る固有結界なのです。
小ネタ
三巻は戦闘描写が多すぎて、あまり小ネタが見つかりませんでした!
次回は盛り沢山なので、そちらに期待してください!